イーロンマスク率いるボーリングカンパニー、スペースXの施設付近に海底トンネル建設を提案
テキサス州ボカチカにあるボカチカビーチへとつながる唯一の道路がスペースXの次世代宇宙船Starshipの開発などにより頻繁に封鎖されていること受け当局が解決策を模索、イーロンマスク率いる掘削会社「ボーリングカンパニー」が海底トンネルによる新たなルートを提案するも予算の問題から当局は難色を示しています。
加速する開発、増える道路閉鎖
スペースXは現在、主力ロケットのFalcon9に代わる次世代のロケットStarship/Super Heavy Boosterの開発をテキサス州ボカチカにある自社の施設で行っています。

こちらがその施設周辺の地図なのですが、スペースXの施設は組立施設と発射場の二つに分かれています。
組立施設ではStarshipやSuper Heavy Booster、打ち上げに必要な燃料などを補給するためのGSEタンクなどの組み立てが行われており、発射場ではStarshipやSuper Heavy Boosterなどの試験や打ち上げなどが行われています。
そして、組み立て施設で組み立てられた機体やタンクなどを発射場へ輸送するのに使われているのがハイウェイ 4という道路で、機体などの輸送が行われる際や試験、打ち上げなどが行われる際にはハイウェイ 4は閉鎖されることになっています。
また、この道路は発射場の先にあるボカチカビーチへと続く唯一の道路となっていて、道路閉鎖が行われている間にボカチカビーチに行くことはできない状態となっています。
またスペースXのボカチカでの開発スピードは日に日に上がっており、以前よりも頻繁に道路閉鎖が行われているのです。
これを受け地元キャメロン郡当局は、道路閉鎖中であってもビーチの少なくとも一部へアクセスするための方法を検討しています。
ボーリングカンパニーが海底トンネルを提案
考えられる解決策の1つは、サウスパドレ島の南端からボカチカビーチの北端の地点まで海底トンネルを掘ることです。

サウスパドレ島はボカチカビーチの北に位置している島で、人気のリゾート地になっています。
この案を提案したのは、スペースXの創設者兼CEOであるイーロンマスクが率いる掘削会社、ボーリングカンパニーです。
しかし、 予算の問題から当局の担当者は難色を示しています。
担当者によると、ボーリングカンパニーがラスベガスに建設したトンネル「ラスベガスコンベンションセンターループ」の長さは1.7マイルで建設費用は5,200万ドルとのこと。
一方、サウスパドレ島の南端とボカチカビーチの北端は3分の1マイル離れているということで、ここから想定される予算ではトンネルの建設は厳しいようです。
トンネルのメリット
ビーチへのアクセス方法としてトンネルを選択することのメリットとしては、景観や環境への影響が少ないこと、いつでも通行可能であることが挙げられます。
サウスパドレ島とボカチカビーチの間でフェリーを運航する案もありますが、フェリーでは限られた時間しか通行することができません。
サウスパドレ島 スターベース間の移動も便利に
現状サウスパドレ島からスターベース(発射場)へ車で移動する場合、大きく迂回する必要がありグーグルマップによると約50分もかかってしまいます。

もしトンネルが建設されればほぼ最短距離でスターベースへ向かうことができます。
スターベース目当てで遠方から来た観光客がサウスパドレ島のホテルに宿泊する際などにとても便利です。
まとめ
トンネルが建設されればボカチカビーチやスターベースへのアクセスが良くなりとても便利になりそうですが、現時点では予算の問題から実現は難しそうです。
ソース:SPI-to-Boca Chica tunnel? Musk’s Boring Company floats idea | MyRGV.com
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