Ship 20の極低温試験は延期か、道路閉鎖はキャンセルされ25日に再設定

スペースXは自社で開発している次世代宇宙船、Starshipの初めての軌道飛行試験に向けて準備を進めています。

軌道飛行試験の詳細についてはこちらをご覧ください。

今回の軌道飛行試験に使われるstarshipは「Ship 20」という機体です。

Ship 20はStarship初の軌道飛行仕様のプロトタイプで真空の宇宙空間での使用に特化したRVacエンジンが初めて搭載されています。

これまでのプロトタイプは高度約10kmまでの飛行試験を想定して作られているためRVacエンジンは搭載されていません。

Ship 20に取り付けられた6基のエンジン。内側の3基は通常のRaptorエンジンで外側の3基がRVacエンジン。

また、Ship 20はこれまでのプロトタイプと比べてフラップが若干小さくなっています。

Ship 20は同じく軌道飛行試験で使用されるSuper Heavy Booster 4との結合試験も行われており、Super Heavy Boosterと結合された最初のStarshipにもなっているのです。

Ship 20とBooster 4の結合試験の様子。

Ship 20はBooster 4との結合試験の後、発射場から組み立て施設に戻され、エンジンの取り外しと配管・配線の仕上げなどが行われたあと再び発射場に輸送されました。

Ship 20 発射台に設置

再び発射場にロールアウトしたShip 20は弾道発射台「Pad B」に載せられました。

Pad BはこれまでStarshipの極低温試験(推進剤の代わりに液体窒素を充填する試験)や静的燃焼試験(実際にエンジンを燃焼させる試験)、飛行試験に使用された簡易的な発射台です。

Ship 20もPad Bで極低温試験や静的燃焼試験が行われるものと思われます。

道路閉鎖がキャンセル、25日に再設定

8月19日には道路閉鎖が設定され、この道路閉鎖でStarshipの何らかの試験が行われるものと思われていました。しかし道路閉鎖はキャンセルされ、20日~21日に設定されていた予備の道路閉鎖もキャンセルされてしまいました。

その代わりに日本時間25日に同じ時間帯で道路閉鎖が再設定され、26日、27日には予備の道路閉鎖も設定されました。

タイプはじめおわり
Primary Date (キャンセル)2021/8/19 7:002021/8/19 13:00
Secondary Date (キャンセル) 2021/8/20 7:00 2021/8/20 13:00
Secondary Date (キャンセル) 2021/8/20 20:00 2021/8/21 2:00
Primary Date 2021/8/25 7:002021/8/25 13:00
Secondary Date 2021/8/26 7:002021/8/26 13:00
Secondary Date 2021/8/27 7:002021/8/27 13:00

25日にShip 20の何らかの試験、おそらく極低温試験が行われるものと思われます。

※最新の道路閉鎖情報はStarshipStatus.space等をご覧ください。

Timezoneで”My Time”を選択してください。お住いの地域のタイムゾーンで道路閉鎖の時刻を確認できます。

Ship 20の耐圧試験はなし?

これまでのStarshipプロトタイプでは大抵打ち上げ前に推力シミュレーターを使用した耐圧試験が行われてきました。

耐圧試験では推力シミュレーター(油圧装置)を発射台に取り付けた後、エンジンの付いていない機体を発射台に設置し、推力シミュレーターで機体の底を押して実際のエンジンの推力を再現します。

Ship 20でもこの試験が行われるものと思われていましたが、Ship 20が Pad Bに設置される数日前、Pad Bに取り付けられていた推力シミュレーターが取り外されてしまいました。

取り外された推力シミュレータ(画像右下)

実はすべてのプロトタイプで推力シミュレーターが使用されてきたわけではなく、例えばStarship SN9では推力シミュレーターは使用されず極低温試験もエンジンが取り付けられたままで行われています。

Ship 20でも推力シミュレーターによる試験は必要性が低いと判断されスキップされた可能性もないとは言えませんが、個人的にはその可能性は低いと考えています。

Starship SN9の場合、一つ前のプロトタイプSN 8と機体構造がほとんど変わらない為、SN9でもう一度試験を行いデータを取る必要はないと判断され試験がスキップされた可能性があります。

対してShip 20の場合、一つ前のプロトタイプSN15(,16)と比べて機体構造が大きく異なります。特に推力シミュレーターで押す底面は大きく変わっており、エンジンの数は3基から6基に増えています。

Ship 20はエンジン6基の仕様になって初めての機体ですので、試験を行いデーターを取るものと思われていましたがなぜか推力シミュレーターが取り外されてしまいました。

今後再び推力シミュレータが再び取り付けられて試験が行われるのか、それとも試験は行われないのかが個人的に気になる点です。

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